障害年金は受けられないが…

年金についてよく知らない芳美さんは年金事務所へと相談に行きます。窓口で職員に「人工関節を入れると障害年金の対象になるって聞いています。障害年金が受けられると、緑色の封筒で案内が来ている老齢年金は受けられるのですか?」と尋ねます。

すると職員から、人工関節を入れる原因となった病気について初めて病院に行った日、つまり初診日はいつであるかを聞かれます。芳美さんは「もう9年くらい前です」と答えます。これを聞いた職員は芳美さんの年金記録を確認した上で「障害年金は受けられません。その代わり障害があることによっての老齢年金の特例が2年間受けられ、通常より年金が多くなりますよ」との回答をします。

「障害年金はダメなのね……けど、どうしてダメなのですか? それと、老齢年金の特例で年金が多いってどういうことですか?」と再び尋ねます。

人工関節を入れて障害年金の対象になると聞いていた芳美さんは、なぜ障害年金が受けられないのでしょうか。そして老齢年金の特例とは何でしょうか。

●芳美さんが障害年金を受けられない理由と代わりに受けられる老齢年金の特例については、後編【「障害年金は受けられません、その代わり…」人工関節手術を受けた62歳女性が年金事務所で告げられた驚きの事実】で詳しく解説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。