母親が結婚相手に注文をつけすぎる
別のケースも紹介します。
慶應義塾大学を卒業し、大手企業に勤める高橋美江さん(仮名・36歳)の結婚相手に対して強くこだわったのは、美江さん本人ではなく母親でした。
父親は高学歴で、大手企業でキャリアを築いてきた人物です。母親は高卒ですが、「学歴のある夫と結婚できた」と感じており、娘にも同じような“成功”を望んでいました。
「東大や京大なら文句なし。少なくとも慶應出身でなければ認めない」
そう母親から言われたそうです。
36歳の美江さんは魅力的な女性ですが、学歴で相手を絞ると対象が一気に少なくなります。本人がこだわっていなくても、親が学歴を重視すると話が進みません。母親にとって、娘は自慢の存在であり、同時に「自分の分身」でもあります。
大学に進学しなかった世代の母親にとって、子どもの学歴は一種の“挽回”手段です。さらに、周囲のママ友からも学歴や職業、結婚相手のスペックを聞く機会があり、静かなマウント合戦が繰り広げられています。
「うちは次女が東大卒の銀行員と結婚してニューヨークに転勤しているの」
「私は医者と結婚して孫が3人。長女の夫は国家公務員」
このような情報の中で、娘が高学歴にもかかわらず、未婚であることは、“負け”と感じられてしまうのです。