<前編のまとめ>

学歴に強いこだわりを持つ親のもとで育った加藤美沙子さん(仮名・40代)。

彼女は医学部に合格するほどの頭脳を持っていました。経済的な理由や「婚期が遅れるかもしれない」という両親の心配によって、結局、入学は断念します。

40代になり、いざ婚活を始めると、両親は結婚相手には医師を要望。美沙子さん自身も医学部に受かるぐらいだから、相手も同じぐらい頭のいい医師がいいのではないかと思い始めます。

●前編:娘は医学部に受かったから、結婚相手も“おなじくらい頭のいい”医者?…足かせとなる親の“学歴フィルター”

難航する医師との交際

美沙子さんは「医師と結婚したい」という希望を抱いて婚活を続けていましたが、現実にはなかなかうまくいきませんでした。

そもそも結婚相談所では、医師の人気は高く、また医師は結婚相手にも同じ医師を求める傾向があります。

さらに、美沙子さんは相手に理想を投影しすぎてしまう部分もありました。自分がなれなかった医師になった人だからさぞ優れているのだろうと期待が高すぎたのです。そのため相手の言動に少しでも品がないと、すぐに幻滅してしまいます。

条件を厳しくすると、紹介そのものが限られてしまうという面もありました。結婚相手を「学歴フィルター」を通して見てしまうと、本来なら相性の良いはずの相手ともすれ違ってしまいます。