退職が決まると、豹変する女性幹部の態度
「女性の相談員はいらっしゃいますか……」
ハラスメントに悩む女性からの依頼にこたえるためにも「モームリ」には、多数の女性社員がいます。松居さんの要望通り、会社側も女性の幹部に対応してもらいました。私たちから事情を説明すると、女性幹部は同情し、謝罪の言葉を松居さんに伝えてほしいと言ってくれました。被害者に寄り添う言葉に、アルハラの再発防止に努めてくれるはずだと期待も抱きました。
ところが、松居さんの退職が決まると、すぐ女性幹部の態度は豹変します。
「アルハラはなかった。女性の訴えは虚偽です」
真相はわかりませんが、時間が経ち、ハラスメントの被害を整理できるようになった松居さんから、もしも訴えられれば、会社は社会的な評判を大きく損なうリスクがあります。そのため事件を認めて再発防止策を講じるよりも、もみ消す道を選んだのではないでしょうか。