<前編のまとめ>

大手企業で働く松居智子さん(仮名・25歳)は、上司からのアルハラで悩んでいました。

飲み会を断ろうとしても、「大事な仕事の話がしたい」「メンバーの絆を深めるため」「来ないのは君だけ」など、半ば参加を強制してきます。

いつもは飲みすぎないように注意していた松居さんですが、忘年会では罰ゲームに負け、何杯も飲まされ、酔っぱらってしまいます。そして、帰りのタクシーに上司が強引に乗り込んできたのです。

●前編:【アルハラ退職】忘年会の罰ゲームで何杯もお酒を強要され…退職を決意させた上司の“恐怖の行動” 

「これはハラスメントではないですか」

同僚の送迎会の帰り、松居さんの上司は宿舎まで付いてきました。そして、一緒にタクシーから降りようとしたのです。

「送っていただきありがとうございます。もうひとりで大丈夫です」と、松居さんは恐怖で泣きながらも、そう言って、なんとか上司をタクシーに押し戻しました。

しかし、それからも上司のアルハラは続きます。

歓送迎会での出来事から、松居さんは上司からの誘いはすべて断っていました。すると、上司は、松居さんにだけあからさまに不機嫌な態度を取り、重要な連絡事項を伝えなかったり、同僚の前で叱責したりするようになりました。

松居さんが「これはハラスメントではないですか」と上司に告げると、「飲みすぎていたから心配して家まで送っただけなのに、なにを勘違いしているんだ」「仕事ができないのは君の能力の問題だろう」と、責任転嫁される始末です。

そのため仕方なく、飲み会に顔を出してみるも、またも上司はタクシーに乗り込もうとしてきます。毎週のように、上司からメールやチャットに届く飲み会の誘いに松居さんはメンタルをやられてしまいました。松居さんが、私たちに退職代行を依頼してきたときには、ただ一刻も早く仕事を辞めたいという心境でした。