お母さんは唯一の味方。でも結婚できないことを心配するあまり

佐藤さんは、大学時代にアメリカに留学をした経験があります。これだけ男性優位の家庭で育ったのに、よく留学を許してもらえたと思うもの。しかも家族旅行とは違い、1年の留学です。これが実現したのは、お母さんが後押しをしてくれたおかげ。お母さんも地方都市で生まれ育ったので、小さい頃から「女の子は大学なんかに行かず、短大くらいの方がいいところにお嫁にいける」と言われていました。女性と男性では立ち位置が全く違うのだから、それに従って生きていればいいという考えの中で育ったのです。

ただ、その甲斐あってか医師と結婚し、男の子と女の子に恵まれ、男の子は医師になりお父さんの病院の後継者です。正直なところ、息子さんは成功者と言ってもいいでしょう。そして母親としても妻としても女としても、お母さんは成功者です。

ただ1つの心配事は娘です。大学を卒業して留学までしているので優秀なことは間違いないのですが、なかなか結婚できずに38歳になってしまいました。

娘は息苦しい田舎町であれこれ言わるようになりました。縁談も若い頃には驚くほどたくさんあったのですが、30歳を過ぎたころからぱったりとこなくなりました。親戚縁者に頼み込んでお見合いの席を設けてもらっても、結婚に進展しない状況です。

お母さんも悩んでいました。
なぜ自分のようにスムーズに結婚すすめないのだろうか?
育て方が悪かったのだろうか?と思い悩んでいました。

親戚からも「なんとかしなさい!」「あなたが悪い」「結婚できないのは親が悪い」と言われ続ける毎日。狭い町なのでちょっとした陰口も聞こえてきて、「あの子は性格が悪いから結婚できない」「アメリカに留学したから日本人と結婚できない」「変人だ」という悪質な悪口まで聞こえてきました。お母さんも辛い日々を過ごしていたのです。

●地方都市の偏見に苦しむ佐藤さんは、40歳手前で意を決した行動に出ます。後編【地方都市からの脱出劇。結婚できなかった30代女性が、ニューヨーク在住の高収入男性との即結婚できたワケは?】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。