<前編のあらすじ>
33歳の山田さやかさん(仮名)には、10年付き合っている交際相手がいます。
何度か彼から結婚の誘いを受けたものの、仕事もプライベートも好調だったさやかさんは、返事を保留していました。30歳を過ぎ、今度はさやかさんから「そろそろ結婚しない?」と告げると、「待ってほしい」と意外な答えが返ってきました。
お互いの望む結婚のタイミングがすれ違うなか、さやかさんは彼との結婚に不安を感じ始めます。
●前編:33歳女性が逆プロポーズで迎えたまさかの展開…男性を待たせていた優越感が“焦り”に変わった出来事
父親の病気で彼の気持ちが判明
彼との結婚話が暗礁に乗り上げているさなか、さやかさんのお父さんが癌におかされていることがわかりました。彼との結婚に関しては親子でのいざこざもあるものの、やはり仲良し家族。さやかさんもお父さんのことが心配でなりません。
それにお父さんの「生きているうちに娘に結婚してほしい」という思いに応えるべく、さやかさんは彼のところに飛んでいったのです。
彼に事情を話して、「父が生きているうちに、結婚させてくださいと申し込みに来てよ! お願い! 父を安心させてあげたいの」と必死に頼んださやかさん。彼も「わかった今週は駄目だけれど、来週の日曜日なら行けると思うよ」と言ってくれたそうです。
その言葉に安心したのはさやかさんだけではありません。お母さんも妹さんも喜んで、日曜日を首を長くして待っていたのです。でも、人生はなかなかうまくいかないもの。日曜日に彼から「高熱を出して動けない。病気の僕がお父様にお会いできないよ。君も来たらだめだよ!」と電話が……。
その後も彼がお父さんに会う機会は作れず、お父さんは亡くなりました。さやかさんは、お父さんの願いを叶えることができなかったのです。後悔の思いを抱えて彼に会いに行き、
「これから父のお墓の前で誓って! 私を幸せにすると!」と訴えましたが、彼は首を縦に振りません。
彼に、さやかさんと結婚をしたいと強く願った時期があったのは事実。でもお互いの気持ちがすれ違ってしまい、10年たった今では結婚したいとは思えなくなっていたのです。さやかさんとの結婚を実現できない以上、彼がお父さんのお墓参りをするという気持ちになることはないのでしょう。もう彼との結婚はない。さやかさんは、そう結論を出しました。