途端に増えた義実家からの連絡。思い悩み、次第にノイローゼ気味に…
やはり義両親は納得していませんでした。
義父はその後、周囲で孫のことを見聞きする度に連絡してくるようになったのです。そして、いかに子供がいると楽しいか幸せかを説いてきたといいます。その都度、雄二さんが穏便に対応してくれましたが、優菜さんとしては心が重くなったとのことでした。
義実家周辺では子供夫婦と同居し、孫をかわいがるご近所さんも多くいたのです。義父は少し前に定年を迎えていたこともあり、たとえ離れて暮らしていても、たまに孫と関われる“老後生活”を楽しみにしていたのでしょう。義実家は富裕層といかないまでも、“小金持ち”だったので、周囲への見栄や世間体もあるのだろうと彼はいいます。
そのような気持ちや事情もあり、義両親からの連絡がやむことはありませんでした。そして度重なる電話に、彼も段々と熱くなっていったといいます。その都度、彼は彼女に「気にしなくていいよ」と気遣ってくれましたが、義両親の言い分も分かるだけに、また彼に強い負担をかけていることに、彼女も段々と心苦しさが増していったのだそうです。
そしていつしか、彼女のその心苦しさは彼への疑心にもつながったといいます。
「子供を欲しがるのは普通のことだし、本当は彼も子供が欲しいのでは? ならば、私は離婚して身を引いた方がいいのではないか」
次第に彼女は、電話を恐れ、少しノイローゼのようになっていったとのことでした。
この後、この2人がくだす決断は……。後編【電話もとらないし、帰省もしない…パワーカップルが夫の実家と距離をとることで“得たもの”】にて、お届けします。