結婚後初の帰省で“孫”を望まれ…
優菜さんは、結婚当初は幸せだったといいます。雄二さんは家事も折半してくれましたし、会話がとても楽しく、つねに気遣いもあり、一人では得られなかった新たな幸せを日々感じられたのです。おかげで仕事もはかどり、公私ともに充実していました。
そんな日々に変化が起きたのは、しばらくして彼の実家へ帰省した時のこと。彼の実家は東京から新幹線と電車を乗り継いだ先の地方にあります。結婚前に一度、あいさつにいって以来です。
義両親は明るくも穏やかそうな夫婦で、豪勢な夕食を準備してくれ、終始、和気あいあいと家族団欒(だんらん)を楽しんでいました。
そんな折、ふいに義父が「ところで、孫の方はどうなんだ?」とたずねました。
笑顔ですし、“からっとした”言い方であり、義父には悪気はなかったようです。横にいる義母も興味津々という顔です。彼女は少し困ってしまいましたが、ヘンにうそをつくのもどうかと考え、「実は……」と、自分たちがDINKsでやっていくつもりだと伝えました。
すかさず、彼が「親父たちには悪いけど、昔とはいろいろ違うし、東京だとそういう人も多いんだよ」とフォローを入れてくれたのですが、明らかに義両親は動揺していたといいます。そのうえで彼が話題を変えてくれ、どうにかその場は穏便に終わったそうです。