認知症介護

父親は歳の割には元気だが、すでに90歳、母親はまもなく90歳になる。

「認知症は、家族などの身近な人を不幸にしていく場合が少なくありません。でも、認知症の実体を知ることで、この不幸は軽減できると思います。認知症の具体的な症状や患者との関わり方、薬のことなど、知識を得て理解を広めることで、認知症で悲しい思いをする人は減らせるのではないでしょうか。また、介護者の体力や気力に余裕がなければ、温かい介護はできません。無理はせず、大変な時は助けを求めることも大切だと考えます」

南田さんは、認知症に対する社会の理解を広げる必要性を強く感じ、自分の経験を「Minami」という名でブログに綴っている。

認知症はその人らしさを覆い隠し、別人のようにしてしまうこともある恐ろしい病気だ。南田さんも経験しているように、発症前は尊敬し、大好きだった人も、発症後、怒りや呆れ、嫌悪感を抱いてしまうケースは少なくない。

大好きだった家族を最期まで大好きなままで見送るためにも、認知症の介護は、安心してプロに任せられる世の中であってほしいと願う。