子どもの頃からのピアノではお金を稼げない現実

子どもも大きくなって手がかからなくなってきた時、美智子さんはピアノの先生を始めました。毎月旦那さんからもらう生活費では、美智子さんが望む生活を送れなかったからです。でも、実際にピアノの先生をしてみると、悲しい現実に直面しました。大学院を出て留学までしているのに、ピアノの先生で稼げる金額は年間100万円にも満たなかったのです。

自分にお金を使ってくれた両親にも申し訳ない気持ちになりますし、何より稼げない自分に対して悔しい思いもあったのだと思います。とはいえ、悔しくても稼げないものは稼げませんから、美智子さんは両親にお金を工面してもらっていました。両親ももう高齢になったのですが、これまで買ってきたブランド品を売ることで美智子さんにお小遣いを渡していたそうです。母親は美智子さんに負い目があったようです。自分と同じような生活を送らせてあげられると思い、お見合いを勧めました。しかし、旦那さんは外でばかりお金を使い、美智子さんにはブランド品を買ってあげない人だったのです。

●美智子さんは納得できない結婚生活を送っていましたが、知らぬ間に結婚生活の終わりは近づいてきていました。63歳で結婚相談所に登録した美智子さんは望む結婚相手を見つけたのでしょうか? 後編【「お金がないと性格が悪くなる」波乱万丈の末、63歳お嬢様が辿り着いた“結婚の条件”】で詳説します。