<前編のあらすじ>
事務をしていた山田美智子さん(仮名)は、熱心な働きぶりが認められ社長秘書となりました。社長からの信頼も厚く、あるとき社長からプライベートな頼み事をされます。
急用の入った社長に代わり、山田さんが社長の子どもたちと買い物をすることになったのです。社長の子どもに何かあったら大変だと不安になりながら待ち合わせ場所に向かった山田さん。そこで見たのは、冬なのにサイズの合っていない夏服を着ていた子どもたちでした。
「社長の子どもなのにどうして……」と思いつつ、一緒に食事をし、洋服を買い、家まで送り届けると社長が離婚していたことを知りました。
●前編:【「服がない」社長に家庭の用事を頼まれた秘書が驚愕…子どもたちが真冬に“窮屈な夏服”を着ていたワケ】
子どもたちとの交流を通して、社長との関係にも変化が
山田さんは、もしかしたらでしゃばりと言われるかもしれないとは思いつつも、社長の了解を得て翌日も必要なものを買いにいきました。子どもたちは昨日に続いてショッピングができますからワクワクです。
その様子からは、しばらく父親ともお出かけをしていないことは容易に想像ができました。仕事で忙しいのは理解しつつも、山田さんはなんだか子どもたちが不憫に思えてしまったのです。もし自分がこの子たちの母親だったら……。そんな想像もしていたのかもしれませんね。
社長は子どもたちに手をかけられず申し訳ない気持ちがありました。離婚をしてから子どもたちと向き合う時間が取れず、子育てに不安も感じていたのです。その一方では、子どもたちのことを気にかけてくれる山田さんの存在が心強く、何より感謝の気持ちでいっぱいでした。
その後も山田さんは時々社長宅をたずね、子どもたちと一緒にご飯を食べたり必要なものを買いに行ったりしたそうです。最初は口数も少なく、遠慮していた子どもたちですが、だんだんと距離が縮まり、まるで本当の親子のようになっていったのです。