義父のプレゼントによって、少しずつ関係性が変わっていく

義父の言葉は本当でした。

正樹さんとの結婚式では最高クラスの式場を用意してくれ、ゲストには美穂さんも聞き覚えのある会社の社長や重役が並んだのです。彼女の友人たちからは羨望(せんぼう)のまなざしを向けられ、彼女は人生で最高の晴れ舞台を迎えました。

その後も、義父の支援は続きます。さすがにタワマン購入の話は断ったものの、頻繁に高級食材や高価な家具家電などが届くようになり、さらには高級レストランへの招待やときには“お小遣い”などもあったそうです。資産運用の利益が出たからなど、義父はさまざまな理由をつけていましたが、明らかに義父は自分たちに良くしてくれています。彼女は彼と結婚して、「夢みたい」と思ったのでした。

しかし、それによって次第に彼女は変わっていきます。あまりに突然、“ハイクラスな生活”に触れたせいか、普段の買い物や自炊料理などに満足できなくなっていったのです。いつしか彼女は貯金や節約を忘れて、ハイクラスなものを求めるようになりました。しまいには、日常生活のために貯金を取り崩すようになったといいます。

一方、彼は何も変わりませんでした。そして初めのうちは、ぜいたくをいさめる彼の言葉を素直に聞いていた彼女でしたが、次第に彼が「器の小さい男」と感じるようになったそうです。だんだん彼の言うことを無視するようになり、それに比例して彼の口調も強くなり、いつしか頻繁に口論する関係になってしまったといいます。

この後、2人はどうなるのでしょうか……? 結末は後編【「もうキミとはやっていけない」“夢みたい”だった結婚生活の破綻後、待ち受けていた「悲惨な毎日」】で詳しくお伝えします。