彼の実家はかなりの良家だったという、大きすぎるサプライズ

「え? どういうこと?」

美穂さんは本気で驚きました。結婚のあいさつをしに、都心から少し離れた正樹さんの実家に行ったのですが……そこはなんと庭の池ではコイが泳ぐ「ザ・日本庭園」のある豪邸だったのです。冷静に振り返れば、正樹さんは実家のことをさらりとしか話していなかったこともあって、度肝を抜かれたといいます。

突然の豪邸に驚いた彼女でしたが、まだ驚きは続きました。彼女いわく“庶民でしかない”自分を、義両親があたたかく出迎えてくれたのです。家に圧倒され、どんな義両親なのかと“ビビって”いた彼女は驚きを隠せなかったといいます。なにやら高そうなお茶を飲みながら、彼女はあらためて「彼の実家のこと」を詳しく知ることになったのです。

要約すると彼には2人の兄がいて、そのどちらも超名門大学を出た秀才。1人は義父の会社を継いで社長に、もう1人は起業してある程度、成功しているといいます。それと比べて彼はいわゆる中堅大学卒。就活も難航したため、今の勤め先も義父のツテで入れたのだそうです。そのようなこともあってか、本人には「家のことは伏せておくように」と聞かせてきた、とのことです。にもかかわらず、こうして息子を選んでくれたことをうれしく思っている、と言ってくれました。

彼の学歴は決して低くはなく、同じ営業職として彼の仕事ぶりを聞いていますが、仕事ができないようにも思えません。しかし、義兄たちと比べたら義父には「心配な子」に映るのでしょう。ただ、ダメな子ほどかわいい点もある様子です。「彼サゲ」のいくつかの言葉に若干の“ムカつき”を感じる一方、理解もできたといいます。そして「今後は何かあれば、私に任せなさい」という義父の言葉を受け、彼女の義実家あいさつは無事に幕を閉じたのでした。