孤独な片付けと予期せぬ発見

結論が出せないままのみやこさんでしたが、両親が残した大量の荷物が気になります。ひとりで静かに片付けていたところ、その過程で家族の思い出が溢(あふ)れる写真も見つかります。

姉に「一緒に片付けない?」と連絡したところ、帰ってきた返事は「わざわざ遠くから片付けのためだけに行けるわけがない」という冷たいものでした。まるで他人ごとのような無関心さ。仕方なく、みやこさんはひとりでコツコツと続けることにしました。

両親の持ち物を、ただ処分するだけでは悲しすぎる。そこで、普段着やパジャマなどの古着とかばんなどの小物も一緒に「古着deワクチン」※に送付。部屋が片付くだけでなく、社会貢献ができるサービスを利用しました。

※編集部注:不要になった衣類を主に開発途上国に送れるサービス。専用回収キットを注文すると、開発途上国の子どもたちにポリオワクチンが届けられる。

頂き物や親族が集まる時に使っていた大量の食器は、居住している市の回収ボックスに寄付。実家で眠らせておくより、誰かに使ってもらうことに価値があると思ったのです。包装紙や紙袋など、無数にため込んだ紙類は、地域の回収日にあわせて廃棄。残るは、押し入れの中に積みあがった雑貨と、タンス1棹分の母の着物類。そして研究職として長年働いてきた父が収集した一部屋を占拠するほどの書籍類でした。

あまりの多さに「どう処分すれば……」と悩んでいたみやこさん。途方に暮れて友人に相談したところ、専門業者に査定と引き取りをお願いしたら? と助言されました。早速査定に出してみると全くの予想外の結果に。この出来事がきっかけで姉妹の関係はさらに複雑化していくのでした。

●この後、姉が態度を一変させ実家で押入れの物色を始めますが、“ある紙袋”を発見したことで、みやこさんに対して驚きの言葉を放ちます。後編【「あなたは実家でぬくぬく育ってきた」押し入れから“1000万円”を見つけた姉が妹に放った「衝撃の一言」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。