話が通じない義家族

入籍を機に行田さんは、かねてから興味のあった金融系の会社へ転職。

ある日、彼に保険に入っているか確認したところ、彼は保険が何かも分からない様子。仕方なく行田さんは義母に電話する。

「本人に聞いても分からないって言うんですが、◯◯くんは国民健康保険に入っていますか? 義兄さんの扶養に入っているのでしょうか?」

彼の父親は彼が中学生の頃に行方をくらまし、以降は彼より6歳年上の義兄が家計を支えてきたと聞いていた。すると義母はこう言った。

「あのねぇ、優芽子ちゃん、あの子は母子家庭育ちなの! 年金なんて払わなくてももらえるの! あの子は神様に守られてるの! 病気もケガもしないから保険なんて入らなくて良いの!」

一気にまくしたてると、義母は電話を切った。らちが明かないので、東京で働く義兄に電話してみる。

「◯◯くんの公的医療保険に扶養として入りたいのですが、◯◯くんが今どの健康保険に入ってるか分からなくて……。お義兄さんの扶養ですか?」

すると義兄はこう言った。

「扶養はあいつが20歳になった時に外したぞ。そこからはあいつが自分で社会保険に入っていない限り、どこにも入っていないんと違うか? でもな優芽子ちゃん、あいつは神様に守られてるから入らなくても良いよ」

「こいつも話が通じない……」

悪寒が走るのを感じながら行田さんは、結局、市役所や年金保険事務所に自分で足を運び、2年分の国民健康保険の保険料を納め、健康保険証を入手。国民年金に関しては、未納分を一気に払うことが不可能だったため、分割払いにすることに。

行田さんは結婚資金を使い果たしてしまった。

恐れていたことが始まる

彼の実家と同じマンションに引っ越ししてからというもの、義母から毎日のように呼び出されるようになった。行くと最初は家事をやらされていたが、ついに恐れていたことが始まる。

「タメになるお話をしてあげる」と言って無理やり聖書の読み聞かせを始めたのだ。何度断っても、固くて冷たいフローリングの上で正座をさせられ、約1時間半、聖書を復唱させられた。

それから数日後。再び義母から呼び出しがあったため義実家へ行くと、義兄が来ていた。その日も聖書を読み、フローリングの上で3時間正座し続けた。ところが終わりが見えたとき、行田さんは少し足を崩してしまう。瞬間、行田さんは近くで監視していた義兄に激しく叱責された。

●その後、行田さんは体調を崩し、仕事を退職することに。夫に義家族からの仕打ちを打ち明けますが、驚きの反応が返ってきます。後編【何度逃げても “ヤバすぎる義家族”に必ず見つけ出されてしまう…子を思う女性が取った「覚悟の行動」】