結婚を機に義祖父母と義両親と同居

中国地方在住の七瀬信子さん(50代・既婚)は20歳で看護師になった。同じ年、友だちの集まりで1年前に知り合った5歳上の金融系企業に勤める男性と結婚。

結婚後は別居するはずだったが、当時60代後半の義祖父母から猛反対に遭い、結局義実家で義祖父母と40代後半の義両親と完全同居になってしまった。

「自分たちは孫夫婦にも大切にされていると世間にアピールしたかったのだと思います。猛反対に遭い、諦めるしかありませんでした……」

そんな中、七瀬さんは21歳で長男、22歳で長女、24歳で次男を出産。看護師の仕事を続けることを希望していた七瀬さんは、出産後2カ月ほどで仕事に復帰。いずれも夫は出産に立ち会い、子育てにも協力的だった。

義実家での問題

義実家では義祖母が家事全般を取り仕切っていたため、七瀬さんは看護師の仕事に専念することができた。

ところが、子ども好きの義祖父母は、七瀬さんが休みの日でも子どもたちを奪っていく。そのため七瀬さんは、「自分の子どもは自分で育てます!」と言って何度も義祖父母から奪い返さねばならず、保育園に入れることも許されなかった。

さらに義母がくせ者だった。義母は子どもが好きではなく、夫と義弟、義妹はほとんど義祖父母に育てられたのだという。

「義母は浮いた存在でした。掃除も料理もできず、天ぷらを揚げていて忘れ、火事になりそうになったことが数回あります。私は119番と思って慌てましたが、義祖母は落ち着いて座布団を天ぷら鍋にかぶせて消火していました」

長男が生まれた頃、義母に「ミルクを飲ませてみたい」と言われて任せたところ、“熱湯ミルク”を飲まされて、長男は口の中に大やけどを負った。

長男が1歳を過ぎると、義母は七瀬さんの目を盗んで勝手に熱湯を飲ませ、またしても大やけどを負わされた。義母は「間違ってやっちまった」と笑いながら言い、さすがに頭にきた七瀬さんは、「お義母さんが寝たきりになったら熱湯飲ませてやるから!」と言って、大泣きする長男の処置にあたった。

「義母はわざとではなくて、確認不足。いわゆる大人の発達障害です。だとしても、ヘラヘラ笑いながら謝りもしないことに怒りしかありませんでした……」

義母は農作業をするのが好きで、毎晩暗くなるまで義祖父を手伝っていた。義父はバスの運転手をしていた。