③使える制度を大いに使う

今後も急な呼び出しや突然の電話が続けば、本当に満子さんが倒れることになりかねません。介護離職をしないためにも少し長めの休みを取って、必要な手続きを進める方が良いのでは? とアドバイスしました。

介護休業は育児・介護休業法という法律で定められた制度の1つで、一定の要件を満たす場合は、対象となる家族1人につき通算93日最大3回まで分割して休暇を取得することが可能です。

ケアプランにあった介護事業者を選定したり、実家のリフォームを検討したりと、足の悪い父が暮らしやすくなる体制を作る。また、ケアマネジャーや介護事業者と実際に会うことで、帰省のタイミングやWebシステムを使った連絡など、できる工夫を話しあう機会にもなるでしょう。

介護休業中は無給ですが、一定の要件を満たす場合は介護休業給付金が支給される安心感もあります。

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しばらくして、満子さんから「妹に会って来た」と連絡がありました。電話ではらちが明かず、思いを込めて手紙を書いたのだそうです。

洋子さんも実は気になっていて、「子どもの大学費用のために、慣れないパート勤めで忙しかった」と、お互いホンネで話しあえたと言います。これなら洋子さんの状況が落ち着いたタイミングで、姉妹で役割分担する道も探っていけそうです。

高齢化がますます進む日本。使える制度もうまく利用して、誰か1人に背負わせない介護を目指しましょう。