平均的な利回りより少し下げてシミュレーションを!
なお毎月5万円取り崩しながら30年後に2000万円が中央値の1600万円になる利回りは単純計算すると2.6%です。このことから、過去の平均利回りが3%の商品だから、3%で取り崩し計算をするということは、“やや危険”と分かります。
モンテカルロシミュレーションを使うと、リスクやリターンをいくつに設定すべきかなどやや複雑です。単純に利回りが何%で最終的にいくら残るというシミュレーションで良いと思いますが、その際は自分が持っている資産クラスの平均的な利回りより1〜2%ほど下げてシミュレーションするとより安全な結果になるでしょう。
結局、老後までに準備すべき金額はいくらか?
今回のシミュレーションではリターン3%、リスクが8%の商品で運用した場合、毎月5万円取り崩しても30年後も1600万円ほど残っている可能性が高いという結果になりました。
しかし、1600万円も残す必要がないなら老後に2000万円準備する必要はありません。仮に300万円残っていれば十分と考えるなら、同じリスクリターンでシミュレーションすると65歳時点で「1200万円」あれば良い計算になりました。
老後までに作っておきたい金額は1200万円ということであれば、ずいぶん気持ちが楽になるのではないでしょうか。とはいえ、使っても減らない状態を作っておけば、精神的に安心できます。できれば、もう少し上乗せした金額を目指したいものです。
さらに、あくまでもこれらはシミュレーションであり、現実は収入に合わせた生活を心がけなければならないことは忘れてはいけません。しかし、このような運用取り崩しの方法を知っておけば、「老後いくらためれば良いのだろうか? ためられるだろうか?」と過度に不安に思うことはないでしょう。
インターネットには、モンテカルロを取り入れた取り崩しシミュレーションサイトは複数あります。ご自身のケースにあてはめて一度計算してみてください。