一定ではないケースもふまえて試算すると……?

しかし、現実は毎年一定で運用されるわけではありません。マイナス10%の時もあるでしょうし、プラス10%の時もあるでしょう。

そこで、モンテカルロシミレーションを用いて取り崩しのシミュレーションをしてみました。モンテカルロシミュレーションとは乱数を使うことで、不確実性もシミュレーションに組み込み数値を導き出す方法です。

リターンとリスクを設定してシミュレーションするのですが、仮にリターン3%、リスク8%としてExcelで5000回シミュレーションしてみました。

最悪のケースでは、30年後に残金50万円

すると最も悪いケースでも取り崩しから30年後に50万円ほど残る結果になりました。毎月5万円を取り崩すわけですから、30年で取り崩す金額は、5万円×12カ月×30年=1800万円です。

2000万円の資産を運用せずに毎月5万円取り崩すと30年後の残金は200万円ですから、最も悪いケースを想定するなら運用しないほうがよかったと言うことになります。

平均のケースなら、30年後に残金1900万円

しかし、残金の平均額は約1900万円、中央値は約1600万円、下位10%だとしても約400万円という結果になりました。

単純に利回り3%で毎月5万円取り崩す場合でシミュレーションすると、2000万円はいつまでたっても2000万円のまま減らない計算ですから、それに比べると減ってはいるものの大きくは減っていないことがわかります。

Excelで作成したモンテカルロシミュレーショングラフ 筆者作成