家賃滞納に至った経緯
「仕事を失って、生活費が足りず……。消費者金融に融資を求めてしまいました」
借りたお金は簡単に返済できると思っていたそうですが、金利が高く返済困難に陥ってしまったと言います。
「ストレスからお酒に頼る毎日になりました。今は、消費者金融の取り立てにおびえて身を隠しています。何とか返済しようと、アルバイトを重ねています」
正直、彼女がいくらアルバイトを掛け持ちしても、家賃と共益費を賄えるとは思えませんでした。加えて、消費者金融の支払いや生活費もあるとなればなおさらです。まずは生活をリセットすることを提案し、後日もう一度電話をもらうことを約束しました。
私としても、彼女が追い詰められて命を失う事態は回避したい思いでした。ところが、そんな心配もむなしく、その後山下さんから電話がかかって来ることは二度とありませんでした。
●山下さんと連絡がとれないまま、強制的に部屋の明け渡しを執行する「断行」の日を迎えます。後編【お金が足りず退去も転居もできない…家賃滞納者が直面する「住む場所を失う恐怖」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。