親と妹を責めても変わらないが、当人たちは意識改革は必要

「全国ひきこもり家族会連合会」の『オンラインを活用したひきこもり支援の在り方に関する調査報告書(2022)』によると、最近の平均的な引きこもり期間は約10年である一方、30年を超えている方もいるとのことです。また内閣府の調査によると、ひきこもりの方は推計146万人もいるとのことです。しかし一方で、引きこもることになった理由は、実にさまざまな経緯が寄せられています。

今回の件なら、妹さんは甘やかされて育ったことが一因でしょう。しかし、そのように育てられたことが悪いといえるのでしょうか。また「女性は結婚して男性に養ってもらえばいい」というのも、以前は当たり前にいわれていたことです。時代についてこなかった点は落ち度ではありますが、まさか両親もこんなことになるとは思わなかったでしょう。

確かなのは、どんなに妹や両親を責めても事態は解決せず、過去も変えられないということ。そして強引に環境を変えることはできず、かといって放置すれば悪化の一途が基本です。そういう意味でも、たまに連絡を取りつつ陰で支援の準備を続ける拓真さんは、本当に一つの手本のように思えます。

その一方、当人たちには意識改革が必要です。残念ながら大抵の場合、周囲の支援は永遠には続かず、厳しい話ですが……いつか生活できなくなります。しかし焦る必要はなく、少しずつでいいのです。この社会で生きていくには、どうしても最終的には相応に社会に関わり、なんらかの仕事をする必要が出てきます。最終的にそうなれるよう、少しずつでも行動を起こしていきましょう。

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