これは一つの模範解答? 支援者自身の困窮には注意を

今回のケースは、結果的に一つの模範解答だったように思います。

妹や実家を見限るのではなく、強引に変えるでもなく、結果的にそのまま受け入れてくれる人と出会えた……。拓真さんの高年収や人間性も大きな要因の一つでしょうが、おかげで最適なところに落ち着いたのではないでしょうか。

彼が周囲に相談した際には、「もう妹・実家を見限ったほうがいい」というアドバイスも多かったそうです。しかし一度見限れば、関係性の回復は困難になります。実家や妹と仲良くしたい彼に、そのアドバイスは酷というものです。見限るのはいつでもできますから、結果的にこれで良かったと思います。

強いて言えば、支援は自分が困窮してしまえばできません。それにこの場合、双方の両親が困窮しても妹・弟の困窮につながる可能性があります。このため、一般家庭以上の計画性・ライフプランが重要です。このような場合、できればFPへの相談も視野に入れることをおすすめします。

引きこもりの近親者がいることは、「婚活」という面でいえば間違いなく大きなハンデです。しかし本人に十分な魅力があれば、それでも受け入れてくれる人が見つかることもよくあります。今回のように、似た者同士で分かり合えることもよくあります。似た理由で婚活を諦めかけている人は、ぜひ彼を見習って、もう少しだけがんばってみましょう。