和歌子さんが許せなかった義母の8年前の発言

おふたりが結婚したのは、徹さん35歳、和歌子さん32歳のときでした。

今となってはあり得ない話ですが、筆者が年頃の30年前は、女性をクリスマスケーキになぞらえて、「24歳までが売り時で25歳になった女性は売れ残り」などと、やゆされていました。

でも現在は、平均初婚年齢は夫が31.1歳。妻が29.7歳(※)と晩婚化が進んでいます。おふたりの結婚も、現状を鑑みると決して遅すぎたとは言えない年齢です。でも、古い考えの捨てられない義母からすると、結婚相手の和歌子さんの年齢が気に入らない。

「いつになったら孫が見られるの?」

会うたびにしつこく問いただされていたようです。

和歌子さん自身も子どもが欲しいと思っていました。だから結婚3年目の35歳のときから7年間、仕事を続けながらも仕事の合間を縫って不妊治療に取り組んできたのです。それでも、残念ながら妊娠に至ることはありませんでした。

徹さんが45歳、和歌子さんが42歳のとき、おふたりは不妊治療を中止しています。体外受精や顕微授精において保険が適用されるのは、43歳未満の女性です。希望を叶えるためとはいえ、高額な治療費を全額自己負担で払い続けるには無理がある。体力的な限界も感じ、夫婦で考え抜いた先に出した結論でした。

そんなふたりの努力や想いを聞くこともなく、「結婚する相手を間違ったね」とまで言い放った義母。

「嫁はもっと若い子がよかった」
「仕事を優先する嫁なんて、うちにはいらない!」

顔を合わせるたびに、聞こえよがしに嫌みを言います。

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そうした背景があるのなら、和歌子さんが義母を許せず、「援助なんて絶対にしたくない!」と思うのは、子どものいない当事者である筆者も当然のこととして共感できました。

一方で、徹さんの実家への想いを無視していいとも思えません。そこで、家計の見直しとともに「援助の仕方」を考えていくことになりました。

●貯蓄の少ない夫と義母の嫌みに耐えてきた妻。家計の見直しから見えてくるものとは? 後編【義母への仕送り100万円、妻も負担すべき? 「我慢ならない」人のための2つの打開策【FPが解説】】で詳説します。

出典
厚生労働省 令和4年 人口動態統計月報年計(概数)の概況