<前編のあらすじ>

藤井さん夫婦は、50代の共働きで1500万円の世帯年収があります。ある日、夫の実家から100万円のリフォーム代の援助を求められたことから、夫婦に危機が訪れます。収入のわりに少なすぎる貯蓄額には、どんな事情があるのでしょうか? 家計の見直しとともに解決すべき問題を探ります。

●前編:【「そちらで解決して」妻が義母への支援を拒絶…許せなかった“不妊治療中”の暴言】

高収入の藤井さん夫婦、貯蓄が少ない理由は?

貯蓄が少ない理由を率直に尋ねてみると、「不妊治療で650万円も使ったから」だという藤井さんご夫婦。でも、治療をやめてから既に8年もの年月がたっています。おふたりの年収を考えると、もっと貯蓄があってもいいはずです。一体どんなお金の使い方をしているのか知りたくて、毎月の支出を洗い出してもらいました。

<毎月の支出>

●徹さんの負担 24万円
・家賃(共益費込み) 18万円
・通信費(携帯・インターネット) 2万5000円
・新聞図書費 1万円
・その他 2万5000円

●和歌子さんの負担 18万円
・食費 7万円
・外食 3万円
・水道光熱費 2万円
・日用品費 1万円
・クリーニング代 1万円
・日帰り旅行(レンタカー代他) 3万円
・その他 1万円

現実逃避のために徹さんが課金していたのは…

ボーナスは電化製品の買い換えや保険料の年払いなどに充当し、ほとんど残っていませんでした。

ここで気になったのが、徹さん個人のお金の使い方です。手取り収入42万円のうち、家計に入れているのは24万円。差額の18万円がお小遣いなら、8年間で貯蓄が50万円しかないのは不思議です。

そこで詳しく話を聞いていくと、お小遣いのほとんどを「ゲームで使い果たした」と言うのです。徹さんいわく、重苦しい日常から現実逃避できる唯一のアイテムがゲームだったとのこと。不妊治療が続き、いつもピリピリしている妻。誰のせいでもないはずなのに、妻だけを責める母。

「どちらも大切な家族なのに……」

板挟みになった徹さんも、ひそかに心を痛めていたそうです。しかし、冷静になれる時間は確かに大切ですが、どう考えてもゲームで18万円もの課金は使いすぎです。