既婚者なのに週2で愛人が待つ部屋に行く「二重生活」へ…
それから、川谷と未来は、お互いのシフトが会う日には、自然と仕事帰りに食事し、そのままホテルに向かうということが続いた。少なくとも月に3回は、そのような関係を続けた。そのような習慣ができたことについて、川谷は、「お互いの相性が良く、一緒にいる時間が楽しかった」と弁護士を交えた調停の場で振り返っている。そして、「お互いに一時的な関係であることは、分かっていたはず。将来のことについて、約束するようなことはなかった」と強調した。
しかし、未来にとって川谷との関係は、川谷が考えているほどに「軽い」関係ではなかった。そもそも、未来には男性との交際経験が少なく、学生時代に知り合った男性とは、結果的に2年程度の付き合いにはなったものの、体の関係は数えるほどしかなかったという。川谷とのように毎回、肉体関係を持つなどという経験は初めてだった。未来は、「川谷と結婚することになると思っていた」と弁護士との面談で明言している。最初のデートから半年が過ぎた頃、食事の後で川谷が、未来の部屋を訪ねるようになった。
そのうちに未来は、仕事が終わると、一足早く部屋に戻り、食事の支度をして川谷を待つようになった。そして、未来は川谷の求めに応じて、駅に近いマンションに引っ越している。駅に近いマンションに移ってからは、川谷が未来の部屋を訪ねる機会は格段に増えた。川谷は仕事のシフトには関係なく、未来の部屋を訪れるようになったためだ。少なくとも週に2回は未来の部屋を訪ねるようになった。川谷にとって、心弾むような二重生活が始まった。未来との逢瀬(おうせ)が心の張りとなり、一段と仕事に打ち込むようにもなった。
未来が起こした驚くべき行動と川谷との不倫の結末は? 後編「不倫相手と上司が会社で鉢合わせ! “何もかも”を失った30代男の悲惨な末路」にて、詳細を解説します。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。
文/風間 浩