年金未納が多いと障害年金が請求できない

障害年金の請求をするためには、もう少し情報が必要です。そこで筆者はさらに聞き取りをすることにしました。

まずは初診日の確認です。初診日とは、その障害で初めて病院を受診した日をいいます。

母親によると、翔也さんが双極性障害で初めて病院を受診したのは26歳頃の2023年9月6日。この時、翔也さんは国民年金に加入中でした。

次に年金の未納が多すぎないかを確認することにしました。

なぜなら、年金の未納が多すぎるとそもそも障害年金の請求ができないからです。

翔也さんは20歳以降で大学生の間は学生納付猶予制度を利用し、大学中退後は別の納付猶予制度を利用しており、それぞれの手続きに遅れはなかったとのこと。よって年金に未納が多すぎるといったことはありません。

以上のことから、翔也さんは障害基礎年金を請求することになります。

翔也さんがもらえる年金額は?

障害基礎年金には1級と2級があり、仮に2級に該当した場合、金額は次のようになります。

障害基礎年金 6万9308円
障害年金生活者支援給付金 5450円
合計 7万4758円
※いずれも月額で2025年度の金額

障害年金(障害基礎年金および障害厚生年金)は、原則、初診日から1年6カ月後に請求できます。この1年6カ月が経過した日を障害認定日といいます。これを翔也さんにあてはめると障害認定日は2025年3月6日となります。

そこまで確認したところで母親が質問をしてきました。

「障害認定日からすでに数カ月が経過していますが、それでも請求はできるのでしょうか?」

「障害認定日当時の診断書が入手できれば請求はできます。診断書には現症日を記入する欄があります。現症日とは『いつの日の障害状態を証明したものなのか』を表す日付です。実際には障害認定日から3カ月以内の日付で書いてもらいます。今回のケースでいうと2025年3月6日から2025年6月5日までの間になります。障害認定日は過ぎていますが、医師は当時のカルテを見て記載するので大丈夫です」