<前編のあらすじ>
当時、大学在学中だった原翔也さん(仮名)を襲ったのは、双極性障害による感情の波でした。21歳頃、わずか30分の睡眠で何日も活動し続けたり、見ず知らずの客にシャンパンを振る舞いお金を使い果たしたりと、行動に異変が現れます。
しかし、全能感に満ちた時間は長くは続きません。一転して訪れる「うつ状態」により、翔也さんは無気力に沈み、ついには大学を中退。ひきこもり生活を余儀なくされました。父親とは取っ組み合いの喧嘩を繰り返し、家族は疲弊していきました。
●前編:【ひきこもり歴7年】2日間で睡眠30分、ガールズバーで散財、地下アイドルに没頭…21歳大学生に起きた“異変”の始まり
障害年金の存在を知り、ようやく精神科を受診
その後も翔也さんは躁状態とうつ状態を行ったり来たりし、就労もできず無収入の状態が続いていました。この状況を打開しようと、母親は解決の糸口を必死で探しました。そのようななかで障害年金の存在を知り、「ひょっとしたら受給できるかもしれない」と思うようになりました。
しかし、障害年金を請求するためには医師の診断書が必要です。そこで母親は翔也さんを何度も説得し、精神科を受診させました。
翔也さんが医師に事情を説明することは難しいので、母親が代わりに今までの経緯を説明。すると医師から双極性障害の疑いがあると診断を受けました。
その後は定期的に通院と投薬治療を続けてきましたが、症状は一進一退。躁状態になると医師とけんかをしてしまうようで、今までに病院を3カ所変えてきたそうです。
28歳になった現在、うつ状態がかなり重く、1日に12時間以上も寝て過ごすこともあるそうです。食事をとる気力もなく、母親が用意してもほとんど手をつけません。着替えも入浴もほとんどできず、自室のカーテンは閉めっぱなしで日中も暗い部屋で過ごしています。部屋からふらりと出てきた翔也さんの目はうつろで、覇気が全く感じられないとのことでした。
この話だけでも、翔也さんの日常生活にかなりの支障が出ていることがうかがえました。
