年金制度に加入すると定期便は届く

こうして、62歳で定期便が届かなかった理由を知り、納得した真奈美さん。ここで職員は「ところで、真奈美さんの老齢基礎年金は82万1304円ですから、満額まで少しだけ足りていませんね」と伝えます。真奈美さんは短大生時代、当時国民年金に加入義務がなかったことから未加入で6カ月分の保険料を払っていませんでした。そのため、480月納付がある場合の満額(2025年度:83万1700円)より少し少ない額(83万1700円×474月/480月=82万1304円)となります。

しかし、65歳になるまでに国民年金に任意加入することができ、6カ月分の国民年金保険料を納めることができます。国民年金に任意加入すると、また定期便が届くことにもなります。国民年金への任意加入ではなく、厚生年金への加入があった場合も同様です。ただし、真奈美さんが63歳になって特老厚の請求をして受給するようになると、その後はたとえ定期便自体が届くことがあっても見込額は表示されなくなります。その場合は日本年金機構から送付される年金額改定通知書や支給額変更通知書で実際の受給額を確認するか、年金事務所に相談するか、ねんきんネットを活用することになるでしょう。

定期便を手掛かりに年金加入記録や見込額の確認ができることにはなりますが、手元に届かなくなると確認できなくなってしまうこともあります。それ以外の年金額確認の手段もしっかり活用しましょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。