意外な形で深まった親子の絆

先日、娘に夫の夢を話したところ、意外にも目を輝かせて言いました。

「お父さんらしいね。忙しいけど、手伝いに行ける日が楽しみかも」

そんな言葉を聞けるとは思っていなかったので、思わず胸が熱くなりました。離れて暮らしていても、こうして心の距離を近づける方法があるのだと実感しました。夫の夢が、思いがけず親子の新しいつながりを生み出したのです。

もちろん、これからの生活に不安が消えることはありません。年金だけでやりくりできるのか、夫が健康でいられるのか。娘の未来も気がかりです。

けれど夫と一緒に新しい夢を追うことで、老後への不安は少しずつ和らいでいきました。

「老後は不安ばかりではない。娘を思う親心とともに、夫婦で夢に向かう第二の人生を歩んでいきたい」

そう思えるようになった今、未来はそれほど暗くないように感じています。

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中村さんの体験談からは、老後への不安と向き合いながらも、具体的な計画を立てて、夫婦で夢に踏み出す勇気が伝わってきました。離れて暮らす子との絆を大切にする姿勢も、多くの親子が参考にできるポイントではないでしょうか。中村さん夫婦の第二の人生の幕開けは、これからが本番です。