<前編のあらすじ>
結婚30年目を迎え、子どもたちも独立した中村和子さん(仮名、50代)。しかし、夫に届いた「ねんきん定期便」をきっかけに「これだけで生活していけるのかしら……?」と老後の経済的な不安に駆られます。さらに、30代半ばになる独身の娘の将来も気にかかっています。
そんなある日、夫が「定年後に田舎で小さな農園をやってみたい」という夢を打ち明けます。初めは戸惑った中村さんでしたが、夢に向かって進む夫の姿勢に少しずつ共感するようになっていきました。
●前編:「娘の孤独を想像しては胸が締め付けられる」独身の子を心配する50代女性に夫が提案した意外なこと
農園計画までの具体的なステップを考え始める
私たちは思い切ってファイナンシャル・プランナーに相談することにしました。
相談の結果、夫は定年後も再雇用で数年働き、私もパートを続けることで資金を確保する計画を立てました。同時に固定費を見直し、通信費や保険料を削減。少しずつですが、農園資金を積み立て始めています。
それに夫の農園計画は利益を出すことではなく「好きなことをしながら健康を維持する」ことが目的です。その考え方に私も次第に賛同するようになりました。
農園を持つことで娘との距離が少しでも縮まるのなら、それは私にとっても大きな希望です。不安ばかりだった老後の風景が少し明るく見えてきました。