配偶者加給年金をめぐる改正に動揺
配偶者加給年金の存在を知ってから、40万円×15年で600万円加算されると見込んでいた隆二さん。しかし、ここ1、2年で年金制度改正についての議論を耳にするようになります。
その議論には配偶者加給年金制度のことも含まれており、「独身の人には加算されないから不公平」「夫婦の年齢差があるかどうかで加算期間が変わるのはおかしい」「夫婦共働きの今の時代には合わない制度」という否定的な意見が多く、「配偶者加給年金を廃止すべき」と言われるようにもなっていました。
これを聞いた隆二さんは「15年で600万円加算されると思っていたのに、廃止されたら年金が予定より減って困るな……」と動揺します。
結局、2025年6月に年金制度改正法が成立した際、配偶者加給年金は廃止されず、現行の1割減の年36万円程度にまで縮小されることで落ち着きました。しかし、それでも「年4万円、15年では60万円減るのか?」と考えた隆二さんは落ち着きません。
「廃止にはならなくても、1割も減るのは大きいぞ……」と気になって、改正される加給年金も含め、65歳以降の自身の年金について年金事務所で聞くことにしました。
●年金額への影響が気になった隆二さん。年金事務所の職員の回答は、後編【「配偶者加給年金が1割減額」と思っていたが…15歳差の妻を持つ64歳会社員男性が安堵した「制度改正の真実」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。