「家族手当」と表現されることもある加給年金。年金制度改正で、子どもがいる場合の加給年金は拡充される一方、配偶者がいる場合の加給年金(配偶者加給年金)は縮小されることになります。この改正は配偶者加給年金を受けられそうな人にとっては気になるところでしょう。
65歳を目前に年金額が気になり始める
隆二さん(仮名、64歳)は妻の真奈さん(仮名、49歳)、大学3年生の淳弥さん(仮名、20歳)と暮らしています。60歳以降は年収500万円程度の隆二さんとパートで年収100万円程度の真奈さん。隆二さんは来年65歳になると退職します。そして、いよいよ年金が受けられるようになります。
隆二さんはいくら年金が受け取れるかが気になっています。「ねんきん定期便」を見ると、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計で230万円受給できそうですが、数年前、他に配偶者加給年金が加算されることをネットの情報で知ります。配偶者加給年金は年間40万円程度、これが老齢厚生年金に加算されることになっています。隆二さんが65歳以降老齢厚生年金を受給し始めてから、真奈さんが65歳になるまで加算されるとのことでした。つまり、夫婦の年齢差により加算期間が決まります。
隆二さんは「退職すると年500万円の給与収入もなくなる。再就職できるかわからないし、年金生活が始まって年金収入だけになると収入が大幅に減る。淳弥もまだ学生でしばらくは学費もかかるな……」「加給年金40万円があれば年金は合計年270万円。ウチら夫婦は15歳差だから15年間も加給年金が加算される。加給年金として年40万円が15年で合計600万円もあると助かる」と配偶者加給年金の存在のありがたさを感じているところです。