終わらない不運の連鎖
自宅にいる時も仕事のことが頭から離れなくなり、妻との関係が悪化しました。そして、2023年の初めにはとうとう妻が子供を連れて実家に帰ってしまったのです。
送られてきた離婚届に署名して提出し、義両親と話をして、子供が成人するまでは毎月5万円の養育費を負担する約束をしました。
大変だったのはそれからです。
ひとり暮らしには広過ぎる家だったので売却しようと不動産屋に相談したら、買い手も少ないし、今売っても何百万円ものローンが残るだけと言われて断念しました。
それから1年は何とか養育費を払いながらローンを返していましたが、今度は会社のオーナーが変わることになり、それに伴って行われた人員整理で失業するはめに。
幸い、失業保険はすぐに出ましたが、それだけではとても暮らしていけません。やむを得ず、飲食店でアルバイトをしながら職探しを始めました。蓄えがないので、その時に車も手放しました。
養育費の負担が重く、一時的に支払いを休止できないか妻に連絡を取ったところ、実家に戻ってパートで働き始めていた妻から、「父の入院などで経済的に困窮し養育費が大きな助けになっている」と感謝され、何も言えませんでした。
藁にもすがるような気持ちで役所へ
結果的に、住宅ローンの支払いが遅れるようになりました。
最初に引き落としができなかった時に、融資先の金融機関からすぐに電話があったのには驚きました。その時は翌月の給料から何とか払ったのですが、しょせん自転車操業です。
2回、3回と滞納が続くと、頻繁に取り立ての電話がかかってくるようになりました。半年近くなると一括返済を求められ、にっちもさっちも行かなくなってしまいました。
精神的にも追い詰められ、「このままでは大変なことになる」と危機感を募らせて役所の無料法律相談を利用することにしたのです。もう、藁にもすがるような気持ちでした。
そこで出会ったのが、弁護士の加藤さんでした。
●絶望的な状況に追い詰められた水野さんは、専門家との出会いによってどのように人生を立て直したのでしょうか。結末は後編【「身も心もぼろぼろに」夢のマイホーム購入で人生が一変、住宅ローン滞納で地獄を見た35歳男性…専門家が導いた“奇跡の結末”】で詳しくお伝えします。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。