金利が上昇する中で、住宅ローン破綻が増えてきています。水野達也さん(仮名)も危うく自宅が競売にかけられる寸前までいった、ローン破綻の経験者。つい1年ほど前には、ローンの一括返済を迫られてにっちもさっちも行かない状態に追い詰められていました。水野さんの場合はコロナ禍がきっかけで手取りが減ってしまい、収入増を目指した転職に失敗した上、離婚という不幸な出来事が重なったことで返済が困難になったと言います。

そんな水野さんを救ったのが、役所の無料相談で出会ったある専門家でした。その専門家は、とあるスキームを使って水野さんの自宅が競売にかけられるのを回避し、残ったローンの返済の道筋をつけてくれました。水野さんに“ローン地獄からの脱出劇”を振り返ってもらいました。

〈水野達也さんプロフィール〉
岐阜県在住
35歳
男性
会社員
妻、小学生の長女、義両親と5人暮らし
金融資産200万円(世帯)

ローンを多めに組んで夢のマイホームを購入

6年前、子供が生まれて当時住んでいた賃貸住宅が手狭になっていたこともあって、思い切ってマイホームを買おうということになりました。

初めはマンションにするつもりだったのですが、訪れた不動産屋で郊外の庭付き一軒家の物件を紹介され内覧すると、私も妻も「やっぱり一軒家だよね」となってしまい、ローンを多めに組んで購入することに決めました。

妻は出産を機に仕事を辞めていたので、私が単独で融資の申請をする形になり不安でしたが、幸い、審査が通って無事に購入、入居ができました。

家を買うと家具やインテリアなども新しくしたくなるものです。我が家の場合は、そのタイミングで私が結婚前から乗っていた車も買い替え、貯蓄はほぼ使い果たしてしまいました。

それでも、新しい我が家で心機一転頑張って稼いで、ローンを返しながら貯蓄もしていけばいいと楽観的に考えていました。