厚生年金の計算は複雑
智美さんの場合、報酬比例部分の増える額は、Aで計算すると12万1284円、Bで計算すると12万2516円になり、高いBで試算されました。智美さんがネットで見た試算額13万1544円はAの計算方法で、標準報酬月額20万円を再評価しなかった計算方法だったのでした。なお、50歳から60歳になるまでの10年間厚生年金に加入すると、老齢厚生年金としては報酬比例部分だけでなく、経過的加算額も155円増えることになります。そのため、合計としては12万2516円+155円の12万2671円となります。しかし、それでも13万1544円より少ないでしょう。
「年金の計算は複雑だなぁ……コンピューターじゃないと出せない数字」と思いつつ、年金事務所で試算した額が最新の見込額であることは理解した智美さん。ネットの情報だけでなく、実際に年金事務所に相談に行くほうが詳しい話や自身の実態に合った話を聞くことができると感じました。
将来受け取れる年金額は気になる中、厚生年金の計算は特に複雑で、給与や賞与の額から計算されるといっても単純なものではありません。年金事務所等で将来の見込額を把握しつつ、あくまで見込みのため将来実際に受け取れる額は変動する可能性も想定しておくと良いでしょう。
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