知っておきたい! 具体的な計算式と再評価率
実際の報酬比例部分は、A、Bのいずれかの計算式で計算して高い額で支給されることになっています。
A.本来水準
平均標準報酬月額×7.125/1000×厚生年金被保険者月数+平均標準報酬額×5.481/1000×厚生年金被保険者月数
B.従前額保障
(平均標準報酬月額×7.5/1000×厚生年金被保険者月数+平均標準報酬額×5.769/1000×厚生年金被保険者月数)×1.061
AとBで乗率(それぞれ7.125/1000と5.481/1000、7.5/1000と5.769/1000)が異なり、Bにはさらに1.061(従前額改定率)を掛けますが、AとBとで用いる再評価率は異なります。そのため、AとBどちらが高いかは計算してみないと分かりません。
2025年度において、2025年4月~2026年3月の厚生年金加入期間についての再評価率は、Aが0.922、Bが0.834となります。翌年度(2026年度)以降の再評価率は決まっていないため、2026年4月以降の厚生年金加入による見込額の試算では0.922あるいは0.834の再評価率を用います。いずれにしても再評価率は1.000を切っていますので、智美さんの標準報酬月額はAでは18万4400円(20万円×0.922)、Bでは16万6800円(20万円×0.834)となります。Bの場合、再評価率0.834だけでなく、従前額改定率1.061を掛けて計算し、乗率もAより高いですが、標準報酬月額は本来の20万円より少ない額で、毎年度変わる従前額改定率についても、翌年度以降のその率が決まっていないため、こちらも試算では1.061を用います。