なぜ一緒にいると苦しいのか…夫の言動に感じる違和感
「これからは幸せな日々が送れる」
舞さんはそのように考えていました。しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。
一緒にいる時間が増えたためか、結婚してある程度理性的になったためか、夫の言動に違和感を持つことが増えていったのです。
例えば二人で夕食を食べている時。舞さんが手料理をふるまっても夫は何も言わず、美味しそうな表情も見せずに黙々と食べ続けています。
「味付けが気に入らないのかな? もしかして嫌いな食材が入っていたとか?」
夫に聞くこともできない舞さんの不安は増すばかり。
またある時、舞さんが仕事の悩みを夫に相談しました。すると「ああ、そうなんだ」と言うだけで、優しい言葉をかけてくれることもなければ、舞さんを気遣うようなそぶりも見せません。
さらには夫から子どもや子育てについての言及も全くありませんでした。
「この人は子どもに興味がないのだろうか? もし子どもができても、きちんと子育てに参加してくれるのかな」
舞さんは一人悶々とした気持ちを抱えてしまうのでした。
ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、それが日々積み重なっていくことで大きな塊となり、舞さんの心に重くのしかかってきました。
さらにある別の日のこと。舞さんは体調を崩して寝込んでいました。
夫に「夕食は作れそうもないから何か買ってきて」と伝えたところ、なんと夫は自分の分しか買ってこなかったのです。
「なんで私の分は買ってきてくれなかったの?」と問いただすと、夫は「だって君の分も買ってきてって言わなかったじゃないか」と一言。
この発言に舞さんは大きなショックを受けました。
「夫にとって私は大切な人ではないの? どうでもいい存在だと思っているの?」
舞さんは疑心暗鬼に陥ってしまいました。
舞さんの夫はまじめに働いており、暴力を振るうことはなく、ギャンブルもしなければ不貞行為もありません。世間の目には良い夫と映るはずです。
「それなのに、この人と一緒にいるとなぜこんなに苦しいの……」
ただでさえ職場でストレスがかかるのに、家庭でもストレスにさらされてしまう。
逃げ場のない舞さんはどんどん追い込まれていきました。
次第に夫と顔を合わせるだけで嫌な気持ちになり、時には動悸が起こるようになってしまったのです。