「お父さんが辞められなくて悩んでいる」
こちらから中村さんの会社に電話すると、
「絶対に中村は辞めさせない。話せばわかってくれるはず。本人と話したい」
と怒鳴れました。しかし、中村さんを正社員にするなど待遇の改善は、相変わらず考えていないようでした。
未上場の企業では社長が法律となっていて、権力を振りかざそうとする方も散見されます。一方で上場企業であっても、現場の実態を本社が知らないケースは多々あります。
中高年の依頼者からは、ほかにこのような相談が寄せられています。
「家族の介護のため、退職を伝えたのにもかかわらず、慰留にあってしまった。週に数時間でもいいから、出社してほしいと頼まれたが、介護に専念したいと断ると、態度が急変。『あまりにも大人として無責任だ』と陰湿ないじめを受けるようになった。長年勤務した会社なので、きれいに辞めたかったので悔しい」
「土下座して、退職を申し出たが聞き入れてもらえなかった。毎月、30時間以上の残業があり、管理職の成果を求められる。非正規にそこまで求めないでほしい」
「年齢が年齢だけに、ダメ元で応募してみたら採用されてしまった。研修もなく現場に入れられ、しかもワンオペで、誰にも相談できない。せっかく入れてもらったのに、1か月も経たずに辞めたいと言うのは気が重い」
ほかに、「お父さんが辞められなくて悩んでいるので相談したい」と、疲弊する姿を見るに見かねたご家族からの依頼も定期的にあります。