<前編のまとめ>

2025年度、新卒社員の木村怜奈さん(仮名・22歳)は3月に退職しました。

大手人材派遣会社に内定が決まっていたのですが、本社採用と言われていたのに、派遣される側だったようです。派遣先と面談したところ、テレアポの仕事は向いてないと感じ、さらに不安は高まります。

会社を信じられなくなった木村さんは、退職代行を使うことを決意します。

●前編:【新卒社員の退職代行】大手人材派遣会社の内定者が“入社式直前”に会社を去った「最大の理由」

内定辞退は採用担当者の評価にかかわる

退職代行「モームリ」から会社に電話すると、どうしてやめるのか理由を聞かせてほしいと言われました。新卒の場合は、詳しく理由を聞かれることが多いです。

新卒採用が重視される日本では、長い時間を費やし、何度も面接をしたうえで新卒を採用します。そのため、入社前に新卒に辞められたら採用担当者の評価にかかわります。必死に引き止めようとし、なかには「辞めたい」と内定者が連絡しても、「新卒の内定辞退は受け付けていません」と返された人もいます。

木村さんのケースでは、どうやら採用担当と配属先の意思疎通がうまくいっていなかったようです。将来的に木村さんは本社に戻れる可能性もありましたが、「あんな会社とは一切話したくない」と木村さんの意思は揺るぎませんでした。