本妻が始めた15年がかりの「浮気夫排除計画」
奥さんはそれから彼のことを「銀行」と割り切り、心を殺して生きる道を選んだそうです。そして、娘さんと結託して家庭内から彼の居場所をなくし、あえて彼が外に気持ちの安らぎを求めるように仕向けたのだとか。
なるほどそういうことだったのか、と腹落ちしました。
最初に「お線香を上げさせてください」とお願いした時、奥の和室の古びた仏壇の前に連れていかれて強烈な違和感を覚えていたからです。リビングには、彼の写真1つ飾ってありませんでした。
奥さんは15年がかりで壮大な夫の排除計画をやり遂げたのです。
「予定より20年も早く死んでくれてラッキーだったわ」と冷ややかな笑みを浮かべる奥さんに、この人には何を言っても無駄だと悟りました。
私と同じサレ妻だった奥さんの恐ろしい企みを知り、その夜はなかなか眠れませんでした。
とはいえ、今後は私が家計を支えていかなければなりません。今のマンションの家賃は払い続けられないので至急引っ越し先を探す必要がありますし、息子には気の毒ですが水泳やサッカーも辞めさせるしかありません。
彼が管理していた預金通帳はごっそり持っていかれてしまいました。でも、保険料が安いからと彼でなく若い私を契約者にして加入した息子の満期金700万円の一時払いの学資保険だけは、こっそりもらっておくつもりです。せめてもの意趣返しとして。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。