<前編のあらすじ>

64歳の丈也さん(仮名)は、若い頃少しだけ会社員をして、その後は自営業者として働いていました。国民年金保険料の納付義務は60歳の前月までありましたが、丈也さんは長年放置して未納のままにしていたので、「将来、年金はもらえないかもしれない」と年金受給を諦めていました。

しかし、60歳の誕生日を迎えた際、友人たちとの会話から年金への思いを新たにし、年金事務所に相談に行きました。そこで、年金を受けるには受給資格期間が10年以上必要となるものの、自身には102月しかないことを知り落胆します。

ところがその時、職員から「保険料を納めなくても64歳から年金が受け取れる可能性がある」という意外な事実を知らされます。勧められた通りに国民年金の窓口で必要な書類を提出した結果、なんと年金を受給できることになりました。

●前編:【「年金はもらえないかもしれない」手続きを放置し続けた自営業・60代男性が直面した「無年金の危機」】

丈也さんが行ったのは「国民年金保険料免除申請」の手続き

64歳の丈也さんが年金を受給できるようになったのは、4年前、60歳の誕生月の出来事がきっかけでした。

国民年金の加入義務は60歳になるまでで、自営業の丈也さんも60歳の前月まで保険料の納付義務がありました。しかし、収入の少なさや忙しさを理由に、丈也さんはこれまで国民年金保険料を払ってきませんでした。

ただ、収入が少なく、国民年金保険料が納められない場合、免除申請の書類を書いて申請をすれば免除が受けられます。そして、その国民年金保険料免除申請は過去2年1カ月前までさかのぼって行うことができるのです。