結婚後、生活費をめぐって食い違う価値観

結婚生活が始まり、2人は生活費の細かい割り振りを夫婦間で決めていくことになりました。

「私は家賃を負担しているようなものだから、光熱費、食費、生活費は祐樹さんの支払いにするのはどう? もちろん自分の好きな食べ物は自分が買ってくるし、自分の化粧品も自分で買う。美容代も自分で持つから」

家賃がかからない分、生活費を多めに負担してもらう約束があったので、有紗さんの提案に祐樹さんも「確かにそうだね、OK」と了承します。

分担も決まったところで、有紗さんが生活費の詳細を詰めます。

「じゃあ、光熱費と食費、それから生活費はまとめていくらで考えていこうか?」

すると祐樹さんは「30万円くらいかな」と提示。彼の年収は1200万円ですから、家賃がない分30万円ならなんとか……と思っての返答でしたが、彼女の返事はまさかのNO。

「ええ⁉ 2人で予算30万円はあり得ない!」

全く納得できないようでした。

お金の使い方の違いがあらわに……

「2人で生活費30万円は少なすぎる」と主張する有紗さんの考えはこのようなものでした。

「週末は基本外食だし、2人の思い出もたくさん作りたいから、年に2回は海外旅行をするでしょ? 普段の夫婦の時間も大切にしたいから、家事代行サービスも日常的に使うとなると……30万円では全く足りないと思う」

有紗さん、実は独身の時から家事代行サービスを利用していました。そんな暮らしをしていると年収400万円の彼女の収入をオーバーしてしまうのでは? という疑問も出てきそうですが、何しろお嬢さま育ちですから、収入をはみ出した部分は親御さんが援助をしていたのです。

彼女の考えでは、出社時のランチや通勤用の洋服、会社の飲み会はもちろん自分が働いたお金から出す。だから夫婦の関係を良好に保つための出費は、負担を祐樹さんに引き受けてほしいと思っていたのです。

●祐樹さんの生活費30万円の提案にきっぱり「NO」を突き付けた有紗さん。お嬢さま育ちの金銭感覚が新婚早々もめごとの引き金になってしまうのでしょうか。気になる祐樹さんの反応は……? 後編【結婚後「生活費の分担」はどう考える? “価値観が正反対”の新婚夫婦が出した結論は…】で詳説します。