過去を振り返って見つけた“本当にやりたいこと”

Tさんは自身がやりたい仕事についてじっくり考えるうちに、ある思い出が蘇りました。

「そういえば学生時代に、デパートの食堂でアルバイトをしていたな」

アルバイトをしていた理由は、小さい頃に家族と一緒にデパートにでかけて、その食堂に行くことが大好きだったから。次第にもう一度そこで働いてみたいと思ったそうです。

「そうか! 自分は食に関する仕事なら、何より楽しく仕事ができるかもしれない」

そう思い、次の転職活動では「給食や食堂の調理員を選択肢の1つにしよう」「それ以外には掃除をすることも楽しくできるだろう」「園芸関係の仕事も大丈夫そうだ」と、最初とは全く異なる条件を軸に募集案件を探すようになったのです。

前回より難航した2度目の再就職活動。その結果……

そこから2回目の再就職活動をスタートさせました。今回は人材紹介会社以外に、ハローワーク、東京しごとセンターなど、利用する斡旋機関も増やしました。

ところが、2回目の再就職活動は1回目よりもさらに難航します。160件以上応募しましたが、おおかたは書類選考で落とされてしまいました。数件面接まで進んだものの、それも不合格。しかし、Tさんはそこまで落ち込みませんでした。おそらく好きな仕事を探していたからでしょう。

そんな中で、なんと178社目から声がかかり、面接の末に合格を勝ち取ります。それも最も希望していた学校給食の調理員関係の仕事でした。「こんなこともあるんだ」と驚くと同時にホッと胸をなでおろしたTさん。

実際に採用担当者に会って採用された理由を聞くと、意外な事実が発覚しました。

●Tさんが採用された理由とは何だったのでしょうか? また、どのようにして厳しい再就職活動を乗り越えたのでしょうか? 後編【「178社目」で合格! 再就職活動に挑む50代男性を奮い立たせた“ある人物の言葉”】で詳説します。