ストレスフルな再就職先で悩みが募る毎日

再就職した会社は、社長の権限が強く、多くの社員の建設的な考えが押しつぶされる環境でした。Tさんが以前いた会社は、制度も充実していて経営者と社員が共に歩んでいく風土であったことから、「この会社も社員のことを考え、改善した方がいい」と改善案を何度も上司に提案したのです。

しかし、それらの案が受け入れられることはほとんどありませんでした。提案を受けた上司が感情的になってしまって話にならず、Tさんはストレスが溜まる日々を送ることに。

「どうしてこんなことが起きてしまうのか……」

こうして悩む日々が続く中、Tさんは誕生日を迎え59歳になりました。年齢を重ねたことで、「このような形で会社人生を終えるのは嫌だ」「こんなところにいても改善どころか時間の無駄だ」という気持ちがさらに高まっていきました。

仕事探しの軸を見直し、転職することを決意

元々Tさんは再就職で会社を探す時の基準を「人事部門」「処遇」としていましたが、実はそれが間違っていたのでないかと思い始めました。その2つの基準を優先しすぎたあまり、仕事で大切な「やりがい」「楽しさ」を犠牲にしてしまったのでないかと思えてきたのです。

そしてついに、「転職しようか。転職するとしてもこれを最後にしよう」と思い立ちました。次の再就職活動では、本来自分がやりたいこと、またはやってもいいことを基準に仕事を選ぶことにしたのです。仕事に変なプライドを持つのでなく、給与よりも“やりたい仕事”を優先して仕事を探すことに決めました。