時間をかけてようやく出た検査の結果は……
血液検査から2週間後、ようやく検査結果が出た。「乳がんの転移と、卵巣がんの可能性あり。リンパ腫を示唆する所見なし」との結果を踏まえ、1週間後、PET検査を受けることに。
母親は痛みに耐えながら、数日おきに親しい友人に会いに行くようになった。
PET検査を受けた1週間後、「食道周辺にがんの疑いがあるという結果が出たため、過去の乳がんと関連があるのかを調べ、複数の科をまたいで何度もカンファレンスをしている。結果が出るまでもう少し待ってほしい」と医師に言われる。
母親は元気な頃から20キロほど体重が落ち、歩くのもやっと。一般的な鎮痛剤は効かなくなっており、医師が「麻薬」と呼ぶ鎮痛剤を服用していた。
さすがに時間がかかり過ぎ、いら立ちを覚えた春日さんは、「こんなに検査続きで時間も体力も奪われて、その間に悪化しないのでしょうか?」と医師にたずねる。すると、「時間がかかって本当に申し訳ない。1〜2週間で急激に病状が進むということはない。来週にはカンファレンス結果が出るから、また来週来てほしい」との答えが返ってきた。
ところが結果が出ると言われていた1週間後になっても、明確な診断や説明は得られず、さらに1週間を要した。
2022年4月下旬。医師からようやく、「食道がんステージ4B。多発肺転移、多発リンパ節転移。リンパ節転移による水腎症あり」と告知があり、母親の抗がん剤治療入院が決まる。10年以上前にかかった「乳がん」の転移ではなく、“原発”だった。