50歳を超えてからの資産運用、今からでも遅くない?

しばらくして、信託銀行に開設した私の口座に、母からの贈与100万円が振り込まれました。専業主婦だった私は、恥ずかしながら、これだけまとまったお金を手にしたことがありません。運用するにしても自分では判断できず、お金の専門家である児島さんに相談してみることにしました。

児島さんが勧めてくれたのは、老後を見据え個人型確定拠出年金(iDeCo)で限度額(年27万6000円)いっぱい積み立てをすること、さらに、残りは個人向け国債変動10年を購入し、今後の金利上昇局面に備えるというプランでした。

iDeCoは会社員の夫も利用していますが、正直、専業主婦の自分には必要ないと考えていました。しかも、私は当時すでに50歳を超えていて、「いまさら加入しても遅いのでは?」という心配もありました。こちらから相談しておいて失礼かもと思いつつ、児島さんなら許してくれるだろうと疑問をぶつけたところ、この時も児島さんは実に丁寧に、誠実に答えてくれました。

「確かに香川さんご自身は収入がないので、所得控除のメリットは享受できません。しかし、iDeCoのメリットはそれだけではないのですよ。低コストの投資信託が選べて運用益も非課税、さらに受け取る時も税金が優遇されます。専業主婦だからといって、老後資金も全てご主人頼りでは不安でしょう? 少しでも自分名義の年金を増やしておきましょうよ。それに、iDeCoは2022年5月から65歳になるまで運用できるようになりますから、今からでも決して遅くはありません」

児島さんの言葉に背中を押され、iDeCoへの加入を決めました。児島さんが教えてくれたiDeCoの取り扱い金融機関や銘柄の比較サイト「iDeCoナビ」を読み込んで、3つの金融機関に資料を請求し、最終的に投資信託のラインアップが豊富なインターネット銀行に口座を開設しました。