専業主婦の香川文子さん(仮名、54歳)は7歳上の兄と年子の妹の3人きょうだい。父親を早くに亡くし、現在は高齢者向けマンションに1人で暮らす母親の元へは月に数回、妹と交代で様子を見に通っています。

1年前、あることをきっかけに、5000万円以上あるはずの母親の預金を兄夫婦が勝手に使い込んでいるのではないか、という疑惑が持ち上がります。預金通帳は兄が預かっており、確かめようとしても何かと理由を付けて兄夫婦が逃げようとするため、文子さんは母親を伴って銀行へ残高証明書を取得しに行きました。

すると、とんでもない事実が発覚。残高は2500万円になっており、3000万円近くが消えていたのです。兄を問い詰めると使い込んでいたことを白状。妹は激怒し、母親は「息子に裏切られるなんて」と号泣してしまい……。

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専門家に相談し涙…兄も「異論なし」の提案とは

兄夫婦による母の預金の使い込みが発覚し、母のマンションで修羅場が繰り広げられてから1カ月。私は、インターネットで探した司法書士事務所を訪ねました。母も妹もいまだ混乱の渦中にあり、起こってしまったことを嘆くばかり。しかし、そう遠くない将来には母の相続も予想され、事態をこのままにしておくわけにはいかないと思ったのです。

その時対応してくれたのが代表の長男で、司法書士とファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ児島さんでした。児島さんは私の上の息子と大して違わない年齢に見えましたが、実に聞き上手で、口ベタな私から巧みに話を引き出してくれました。ひと通り話を聞いた後の「大変な思いをされましたね」という言葉が心に染みて、思わず涙がこぼれました。