遺族厚生年金が受けられる人は?
一方、遺族厚生年金については生計維持されていた配偶者も子も対象遺族に含まれますが、配偶者は遺族基礎年金のように、亡くなった人の子と生計同一であることが条件ではありません。生計維持されていた配偶者である友梨さんと子である怜さんが、それぞれその受給権者になります。しかし、友梨さんと怜さん両方に遺族厚生年金が支給されるわけではありません。実際の遺族厚生年金の支給については「子」が「遺族基礎年金のない配偶者」に優先することになっているので、子である怜さんに支給され、友梨さんの遺族厚生年金は支給停止になってしまいます。
ただし、紀之さんの死亡から5年数カ月経ち、怜さんが18歳年度末(2031年3月)を迎えると怜さんの遺族厚生年金はなくなり、その受給権者は友梨さんだけになります。2031年4月分から、友梨さんに遺族厚生年金が支給されるようになります。
「再婚だとこういうことがあるのね……」と友梨さんは内容を理解し、しばらく遺族厚生年金が支給されないことを了承しました。
再婚家庭は遺族の優先順位に注意
後日、遺族年金のことを聞いた美稀さんが怜さんに代わって遺族年金の手続きを済ませたことで、怜さんに遺族厚生年金の支給が始まったそうです。
遺族年金はその対象遺族であっても、実際に支給されるかは遺族の優先順位によって決まり、支給には条件があります。今回の後妻である友梨さんと前妻の子である怜さんの遺族年金については、これまで述べたとおりの受給の流れとなりますが、遺族にどういう人がいるかによって受給が大きく変わります。仮に紀之さんと友梨さんとの間に子どもがいた場合はまた話が変わっていたことでしょう。再婚のケースは特に遺族年金の支給のルールの確認が大切です。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
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