平穏な日々を打ち砕いた同期の突然の退職
入社から数カ月は平穏に日々が過ぎた。出身校が同じ上司や趣味が合う先輩とも仲良くなり、それなりのスタートだった。
しかし、入社から4カ月ほどたった時に一気に不信感が募る。きっかけは彼女より2カ月早く入社した同期が、契約期間満了で退職したことだ。面接時の説明では「ほぼ正社員化が前提」といった物言いだったため、正社員化は確定だと思っていた彼女にとって、この出来事は大きな不信感を生むきっかけになった。
「結局使えなければクビなんだなって……」
彼女は私に当時の胸中を吐露する。
聞けば彼女はあまり仕事ができる方ではなく、これまでも派遣社員や契約社員として働く中で何度も「契約期間の満了」を理由に契約が更新されない出来事を経験していた。そうであれば不安に思い、不信感が生じるのも無理はない。
実際、契約社員や派遣社員でこういった出来事は珍しくはない。特に派遣社員はこの期間満了による“実質クビ”扱いは多くある。ひどい場合は初回の契約が1カ月だけとなっており、以降は勤務態度や仕事の出来具合によって契約期間を段階的に延ばすという扱いをされることがままある。時には初回で契約を切られることも珍しくない。
